偽「母乳」をネット販売。母乳至上主義に問題が。

偽「母乳」がネット販売されていたらしいのですが、中身は少量の母乳に粉ミルクと水を加えた可能性が高い偽物とのこと。

驚きを隠せないと言う以前に、そもそも母乳がネットで販売されていること自体知りませんでした。皆さんはご存じでしたか？

今回、毎日新聞さんが入手した母乳は、今年長男を出産した東京都在住の30代女性が、母乳販売をうたう業者のサイトで2月に買った50ml冷凍パック4個の内の2個。１パック5000円だったそうですから、20000円したと言うことなのでしょう。

以下毎日新聞引用

国内唯一の「母乳バンク」がある昭和大江東豊洲病院（東京都江東区）と、一般財団法人「日本食品分析センター」（渋谷区）に検査と分析を依頼した。
　その結果、母乳にはないたんぱく質「βラクトグロブリン」が検出された。乳アレルギーの子供が飲めば強い反応が出るレベルで含まれていた。脂肪や乳糖（炭水化物）は一般的な母乳の半分程度。同病院の水野克己小児内科教授は「脂肪分が少ない状態の母乳を、水で希釈した粉ミルクに混ぜた可能性が高い」と指摘した。
　検出された細菌はレンサ球菌など３種類。母乳バンクで安全としている一般的な母乳の１００〜１０００倍で、免疫力の低い小児らが摂取すれば、敗血症などを引き起こす恐れがある。山崎伸二大阪府立大教授（細菌学）は「極めて不衛生な環境で製造、保管されていたことが疑われる。病原性の弱い菌なので健康な人が摂取すれば大きな問題はないだろうが、腸管の発達が不十分な乳児は思わぬ健康被害が生じる恐れがある。絶対に飲ませるべきではない」と話した。

悪質な詐欺行為と言っても過言ではありません。生まれてきたわが子を「母乳で育てたい」と言う母親の愛情につけこんだ悪徳商法です。

販売業者は商品の用途を「母乳風呂」用等どしており、会員も300人程いるようです。品質や安全性を保証できないため、飲むことは控えるようアピールしているが、飲むかどうかは自由と説明しているんです。そのような論法が通用するのでしょうか？現に飲むことを促すような手紙まで添えられているのに。



※http://mainichi.jp/select/news/20150703k0000m04016...より引用


それにしても国自体でまだ情報収集の段階でこれから実態調査に乗り出すと言う状態のようです。ということはまだ現時点では販売を禁止するところまで進んでいないと言うことなのでしょうか？

細菌が母乳バンクで安全とされている一般的な母乳の100倍～1000倍も検出されていると言うことは様々な細菌に感染するリスクが高いと言うことですから、勿論注意喚起も必要ですが、藁にもすがりたい母親の心理を考えたら、まずは購入できないように販売を禁止させることが先決なのではと考えてしまいます。感染してからでは遅いのですから。

外から見たらとっても危険なものですが、その分別が付かない程に「母乳が出ない」と言う母親の悩みは深く、大きなものなのでしょうね。本当に「母乳で育てることが一番」なのか、「粉ミルクだけでは弊害があるのか」、これからお子さんを生む妊産婦の方たちへの正確な情報提供もますます必要になってきますね。


それぞれ考え方はあっていいと思うのですが、何よりも子供が健康に育つことが第一優先ですよね。そして赤ちゃんを育てるお母さんたちの体質も色々な訳ですから、育て方も色々あっていいですよね。何か母乳至上主義の弊害とも言えるような一件です。

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