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ロンドン西部の高層公営住宅火災の悲劇 [命]

今月14日、ロンドン西部の24階建ての高層公営住宅「グレンフェル・タワー」で大規模な火災が発生しました。


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ニュースの画像を見ているだけでも火災の凄まじさを痛感させられました。


日頃、都内の高層マンションや高層ビルを目の当たりにするたびに「火事になったらどうなるのだろう?」と思っていましたが、改めてその思いが強くなりました。


ロンドン警視庁は17日、この火災で58人が行方不明になっていると発表したものの、建物内に生存者はいないことから不明者全員が死亡したのではないかとしています。


何故、ここまで火災が一気に広がってしまったのでしょう?ニュースの映像を見ていると、まるでガソリンでも浸み込ませた建物に火を付けたような印象です。





どうやらこの高層公営住宅にはスプリンクラーが設置されていなかったようです。そして驚いたのはスプリンクラーが設置されていないのは、今回火災のあった「グレンフェル・タワー」だけではなく、英国内にある数千に及ぶ高層住宅の多くに設置されていないと言うのです。


なんでも英国内でスプリンクラーの設置が義務付けられているのは、2007年以降に建てられ、高さ30メートル以上の建物のみだそうなのです。そしてこのことは過去にさかのぼって適用されないため、1974年に完成した「グレンフェル・タワー」にも適用されていなかったそうなのです。


と言うことは、今後も同様の火災事故が発生したとしてもおかしくないということになります。しかし簡単にスプリンクラーを設置できるかと言うとそうでもなさそうです。莫大な費用がかかるようです。


消火スプリンクラーの業界団体「英自動消火スプリンクラー協会(BAFSA)」によると、「グレンフェル・タワー」にスプリンクラーを設置する費用を20万ポンド(約2800万円)と見積もっています。


確かに多額の費用です。それに工事と言っても素人目で見ても簡単にできるものでもないとは重います。
でも今回の火災に関して言えば、火の回りが外壁を這うように広がりを見せたことから、スプリンクラーがあってもさほど変わらなかったのではないかと言う見解もあるようです。きっと構造上の問題や建築資材に起因していたのかもしれませんね。


そんな恐ろしい火災のさなか、逃げ遅れた母親が窓から赤ちゃんを投げ、地上にいた住人が赤ちゃんを受け止めという記事が英国メディアで話題になっているようです。


9階か10階程の窓で母親が群衆に向かって赤ちゃんを投げるしぐさをした後で、赤ちゃんを投げ、それを一人の男性がキャッチしたそうなのです。赤ちゃんは毛布にのようなものにくるまれていたそうです。母親の安否は不明だそうです。


この記事を見たとき、本当に心が痛みました。必死でわが子だけでも助けようとしたのでしょう。でも10階の高さと言えば、有に30m強はあると言います。おそらく高所恐怖症の僕には下も観ることができないような高さだと思います。そこから赤ちゃんを投げれば、必ず誰から受け止めてくれるという確証は母親も持てなかったはずです。もしキャッチされなければ、結果としては自分でわが子の命を奪うことになる訳です。それとも極限の状態ではそのようなことは頭にも思い浮かばず、このままだと確実に死ぬ、だから赤ちゃんの命を救う方法として迷わず取った行動だったのかもしれません。


過去にも高層ビル、高層マンションの火災は少なからずありました。何故、それでも皆高層マンションに住みたいと思うのでしょうね。ステータス?景観?


確かに住んでみたくないと言えば嘘になるかもしれませんが、少なくとも僕の場合は、その欲求よりも「火災が起きたらどうしよう?」、「地震が起きたらどうしよう?」と言う恐怖心の方がはるかに強いので、状況が許したとしても住もうとは思いません。


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今回の火災を受けて英国内では高層ビルや高層マンションに対してどのような対応を取っていくのでしょう?


先ほどの費用面の話ではありませんが、もし簡単にはできないことだからと、従来通りのままということならば、住人が自らその住まいで継続して生活を営んで行くのか否かを決めなくてはならないのでしょうね。いずれにしても大きな問題です。


お亡くなりになられた方たちのご冥福をお祈りいたします。




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